投資顧問会社の株式会社G&Dアドヴァイザーズが運営するWebサイト

株式会社G&Dアドヴァイザーズ
関東財務局長(金商)第1756号
一般社団法人 日本投資顧問業協会 会員番号第012-02487号

営業時間 平日 8:30~18:00

03-6417-4257

2024年3月8日

相場の見立て・展望(3月8日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
3月7日の日経平均は一時40472.11円まで上昇し、3月4日の40314.64円を上抜き、ザラ場ベースの史上最高値を更新しました。しかしながら、その後失速し、結局、前日比492.07円(1.23%)安の39598.71円で取引を終えました。8日は株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(SQ)算出日でした。SQ前に海外勢からの日本株に利益確定売りが出て、為替ヘッジ外し(ドル売り・円買い)が加速したことを主因に、外国為替市場で円高に振れたことが、日経平均の下げ幅を拡大させたと観測されていました。

また、7日には、日銀の中川順子審議委員が、松江市で講演し、2%の物価安定目標の実現に向けて「着実に歩を進めている」と述べました。そして、日銀が重視する賃金と物価上昇の好循環については、高水準の企業収益を理由に「展望できる」との認識を示しました。この中川氏の発言を受け、日銀の金融政策の正常化のタイミングが早まっているとの思惑が強まったことも、円高の材料になりました。

そして、8日の日経平均は前日比90.23円(0.23%)高の39688.94円でした。7日の米国株が堅調だった割には冴えない動きでした。ちなみに、SQ値は前日の日経平均の終値に比べ265.21円高の39863.92円でした。なお、7日のNYダウは続伸し、前日比130.30ドル(0.33%)高の38791.35ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続伸し、同241.83ポイント(1.51%)高の16273.38ポイントでした。そして、S&P500種株価指数も続伸し、前日比52.60ポイント(1.03%)高の5157.36ポイントで終え、1日以来、ほぼ1週間ぶりに最高値を更新しました。この日は、パウエルFRB議長が上院での議会証言で、利下げ開始の条件となる物価の安定を達成できるとの確信を持てるようになるまで「そう遠くない」と述べたことで、米経済がソフトランディングできるとの期待が高まり、株式が買われました。

ところで、8日の東京株式市場では、ここ最近まで人気化していた住石ホールディングス(1514)やさくらインーターネット(3778)の株価急落が話題になっていました。住石ホールディングスは、前日比1210円(22.49%)安の4170円ストップ安売り気配で取引を終えました。さくらインターネットは同2150円(20.93%)安の8120円でした。このように、人気銘柄の一角が高値波乱となったため、AI関連を中心にしたテーマ株については、当面は調整局面入りした可能性が高いとみておいた方がよさそうです。

このため、物色面では、3月期末を意識した「高配当のバリュー株」への資金シフトが顕著になるとみています。半導体などの値嵩株が調整し日経平均の上値が重くなる一方で、金融などのバリュー株が買われるため、TOPIXが相対的に強い動きとなり、NT倍率が低下する展開を想定しています。いずれにせよ、日銀が金融の正常化に向けて動き出せる可能性が高まるなど、日本経済は着実に改善してきています。このため、積極的な日本株への投資で、収益獲得を目指すべき局面が継続しているとの見方は不変です。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

一覧に戻る

ヘルプ

当サイトに多く寄せられるご質問を項目ごとにまとめました。各種サービスについてもご案内しています。

質問と回答一覧

お問い合わせ

ヘルプで解決できない問題や、直接サポートセンターとやり取りをしたい場合はこちらをご利用ください

お問い合わせ