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2024年4月12日

相場の見立て・展望(4月12日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
今週(4月8日〜12日)は、米物価指標が、金融市場及び外国為替市場の最大の変動要因となりました。

4月10日発表の3月のCPIの上昇率は前年同月比3.5%と2月の3.2%から加速し、市場予想の3.4%を上回りました。変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数も3.8%と市場予想の3.7%を上回りました。これが発表される前までは、多くの市場参加者は早ければFRBが6月に利下げに踏み切るとみていました。しかしその後は、利下げ開始が7月か9月になるとの観測が強まりました。

このため、10日の米債券市場で長期債相場は大幅に反落しました。米10年物国債利回りは前日比0.19%高い4.55%で取引を終えました。一時は4.56%と2023年11月中旬以来の高水準を付けました。そして、この長期金利の上昇が、米株安と円安を引き起こしました。10日のNYダウは大幅に3日続落し、前日比422.16ドル(1.09%)安の38461.51ドルでした。一方、NY外国為替市場では円安が急速に進み、一時は1ドル=153円24銭付近と、1990年6月以来約34年ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

ですが、翌11日に発表された3月の米PPIの上昇率は前月比で0.2%と2月の0.6%から縮小し、市場予想の0.3%を下回りました。サービス価格の上昇(0.3%上昇)が財(モノ)の価格の下落(0.1%下落)によって相殺されて、インフレ再加速懸念を和らげる内容となりました。このため、11日のNYダウは、前日比2.43ドル(0.00%)安の38459.08ドルと、4日続落したものの下げ渋りました。その一方で、インフレ圧力が根強いなかで高金利が長引くとの見方が意識されているため、米10年物国債利回りは前日比0.04%高い4.59%で取引を終え、2023年11月中旬以来の高水準となりました。

確かに、足元の米国株安、米長期金利上昇は、日本株への悪材料です。しかしながら、円安は好材料です。このため、10日の米株安を受けた11日の日経平均は一時前日比516.50円(1.30%)安の39065.31円まで下落しましたが、結局、大引けは139.18円(0.35%)安の39442.63円と下げ渋りました。円安効果が日経平均の下落幅を限定的にしたとみています。そして、週末12日の日経平均は反発し、前日比80.92円(0.21%)高の39523.55円でした。

それはさておき、足元の急激な円安・ドル高に関して、鈴木俊一財務相は12日の閣議後の記者会見で、「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除することなしに適切に対応をとる」と述べました。しかしながら、拡大傾向の日米の金利差、政策金利が高止まりしていても堅調な米国経済に対して、利上げができないくらい脆弱な日本経済(日米の経済のファンダメンタルズ格差)、そして、米国政府が現在の為替レートに神経質になっている様子が全く窺えないことから、仮に日本政府が単独で介入しても、その効果は短期的で、且つ、円高方向への押し下げ幅も限定的だと思います。
そもそも、自国通貨である「円」安への根本的な対応は、「円」の実質的な価値を引き上げるしかありません。ですが、円安が進みやすい状況は、そう簡単には打破できず、継続する見通しです。このため、投資家は円の対外通貨に対する減価に対して、なるべく早く、適切に対応しないといけません。最も効果的で、少額資金からできる対応策が株式投資です。よって今後も、タイミングを計りながら、積極的に、「現金(日本円)」で「日本株」を購入していくことをおすすめします。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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