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2024年2月16日

相場の見立て・展望(2月16日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
1月の米CPIの上昇率が市場予想を上回ったため、FRBによる早期利下げ観測が一段と後退した結果、2月13日の米国株式市場では「CPIショック」が発生しました。1月のCPIは前年同月比の上昇率が3.1%と、市場予想の2.9%を上回りました。また、エネルギーと食品を除くコア指数の伸び率は3.9%と、こちらも市場予想の3.7%を上回りました。これが嫌気され、NYダウは大幅反落し、前日比524.63ドル(1.35%)安の38272.75ドルでした。ナスダック総合株価指数は大幅に続落し、同286.95ポイント(1.80%)安の15655.599ポイントでした。

ですが、ハイテク株や景気敏感株の一角に押し目買いが入り、翌14日のNYダウは反発し、前日比151.52ドル(0.39%)高の38424.27ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、同203.55ポイント(1.30%)高の15859.15ポイントでした。あっさりと反発できたことを考慮すると、やはり、米国株式市場は非常に強いと評価するべきです。そして、15日のNYダウは続伸し、前日比348.85ドル(0.90%)高の38773.12ドルでした。また、ナスダック総合株価指数も続伸し、同47.03ポイント(0.30%)高の15906.17ポイントでした。さらに、S&P500種株価指数も続伸し、同29.11ポイント(0.58%)高の5029.73ポイントと、2月9日以来となる過去最高値で取引を終えました。

このように米国株が極めて強い動きを続けているため、日本株も順調に上昇しています。16日の日経平均は前日比329.30円(0.86%)高の38487.24円でした。ザラ場高値は38865.06円で、1989年12月末につけた終値ベースでの史上最高値の38915.87円にあと50.81円まで肉薄する場面がありました。東証プライムの売買代金は概算で6兆7212億円と、2022年4月の市場再編後で2番目の多さでした。東証プライムの値上がり銘柄数は1391と、全体の約8割を占めました。つまり、売り買いが激しく交錯する中で、ほぼ全面高でした。この日は、日銀の植田和男総裁が衆院財務金融委員会に出席し、「マイナス金利解除等を実施しても、緩和的な金融環境は当面続く可能性が高い」と語ったことが、好感されました。緩和的な環境が続くなら、外国為替市場の円安基調が続き、わが国の主力の輸出関連企業の収益にポジティブに作用することが期待できるからです。

ところで、内閣府が2月15日に発表した2023年の名目GDPはドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれ世界4位に転落しました。長年にわたる低成長やデフレに加えて、円安が進みドルに換算した際の規模が目減りした結果です。IMFからは、2026年には名目GDPはインドにも抜かれて、世界5位に後退するとの予測も示されています。日本に関しては、2023年10〜12月期の実質GDPは前期比マイナス0.1%(年率マイナス0.4%)と、2期連続のマイナス成長となっています。家計最終消費支出は、実質マイナス0.2%(7〜9月期はマイナス0.3%)でした。賃金が物価上昇に追いつかない状況が続き、個人消費の低迷している様子が窺えます。

だからこそ、日銀は、近い将来、「マイナス金利」は解除するにしても、その後は暫くの間、緩和的な金融政策を維持せざるを得ないのです。なお、新藤義孝経済財政相は2月15日、GDPが2期連続のマイナス成長となったことを受け、記者会見で、「給付金や定額減税によって、所得の伸びが物価上昇を上回る状況を確実に作り出し、消費の拡大につなげる」としています。これは低迷する個人消費(内需)への下支え要因です。当然のことながら、これは日本株の強力な下支え材料と言えるでしょう。

前回当コラムで、「日経平均は、2月9日に37287.26円をつけ、1月23日の36984.51円を上抜きましたので、新たな上昇局面に入ったとみています。」としましたが、現時点でも、この見方に変更はありません。押し目限界は25日移動平均線(16日現在36421.62円)です。需給関係は、引き続き、圧倒的に買い方有利・売り方不利とみています。このため、日本株については、「上がり易く、下がり難い」状況が続く見通しです。「押し目は買い」という意識で相場に参加するべきとの考えは不変です。なお、16日に半導体の一角が利食いに押される場面では、他の主力株に資金が循環したように感じました。よって、今後は、半導体一極集中ではなく、出遅れ株・出遅れセクターの循環物色が期待できるとみています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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