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2020年7月22日

相場の見立て・展望(7月22日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
22日の日経平均は前日比132.61円(0.58%)安の22751.61円でした。EUの首脳会議が21日、新型コロナで打撃を受けた経済を立て直すため7500億ユーロの復興基金案で合意したことが買い材料になり、21日のNYダウは続伸、前日比159.53ドル高の26840.40ドルでした。

しかしながら、大型ハイテク株には利益確定売りが出て、ナスダック総合株価指数が反落し、同86.73ポイント安の10680.36ポイントでした。これが22日の日経平均にネガティブに作用しました。また、4連休明けに主要企業の4~6月期決算の発表が相次ぐため、多くの投資家が積極的な買いを手控える中、連休前の買い方のポジション調整の売りが出ました。この結果、日経平均は3日ぶりに反落したのです。

日経平均については、6月9日の23185.85円からの調整は6月15日の21529.83円でいったん一巡し、現在は値幅ではなく日柄調整をしていると認識に全く変更はありません。そして、近い将来、現在の「保ち合い(21529.83円~23185.85円)」から上下いずれかに放れる可能性は低くはないとの見方も不変です。このため、投資戦略的には、上下いずれかに放れたら、素直にその放れた方向につく方針も堅持しましょう。

なお、上下どちらかといえば、「上」に分があるとみています。なぜなら、市場では新型コロナのワクチンの早期開発・実用化実現への期待が根強いことに加え、米国の政策当局による追加の経済対策策定への期待感が高まっているからです。このため、よほどの悪材料が飛びださない限り、「下放れ」はないと現時点ではみています。

ワクチンに関しては、皆さんご存じのように、米国のみならず日本国内でも有効なワクチンの開発に関するニュースが連日報じられています。これを受け、市場ではワクチン実用化後の経済活動の早期正常化への期待が高まっているのです。

一方、トランプ米政権と議会は7月中にも追加の新型コロナウイルス対策である「第4弾の財政出動」を発動する方針です。トランプ政権及び議会は、米上院が夏の長期の休会に入る8月7日までの合意を目指すようです。具体的には、失業保険の特例加算を部分延長するほか、失業者が再就職した際にボーナスを支給する案などが浮上しているようです。また、トランプ大統領は給与税減税を求めており、これが追加策の柱となる可能性が高そうです。

ちなみに、トランプ政権は既に約3兆ドルの財政出動に踏み切っています。第4弾の追加策の規模としては、野党民主党の議会指導部が3兆ドル程度を求めるのに対し、財政規律を重んじる共和党は1兆ドル程度を考えているもようです。いずれにせよ、これだけの大規模な財政出動に加え、FRBによる未曽有の規模の金融緩和&流動性供給です。正直、「何がどうなったら、米国株が急落するのか?」現時点ではイメージできません。だから私は、日経平均については、「上放れ」に分があるとみています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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