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2020年5月8日

相場の見立て・展望(5月8日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
8日の日経平均は前日比504.32円(2.56%)高の20179.09円で「ピン引け」でした。今週は大型連休の谷間で2日間の立ち合いでした。7日の始値は19468.52円、週の安値は同日の19448.93円、高値は8日の終値です。この結果、週足は実体が710.57円の「(ほぼ)陽の丸坊主」となりました。引け味は最高でした。

これは、中国商務省が8日、劉鶴副首相がムニューシン米財務長官とライトハイザーUSTR代表と、同日午前に電話会談したと発表したことが好感された結果です。両国はマクロ経済や公共衛生における協力を強化し、米中貿易協議の「第1段階」合意の履行で積極的な成果をあげることで合意したそうです。そして、連絡や協調体制を継続する姿勢も示したということです。市場では、これまで、新型コロナ発生・感染拡大を理由にした米中の対立激化を懸念していました。しかしながら、8日の中国商務省の発表で、その懸念が大幅に後退したのです。

ちなみに、トランプ米大統領は6日、「我々が経験した中で最悪の攻撃だ。真珠湾や世界貿易センタービル(2001年の米同時テロで崩壊)よりもひどい」と述べていました。実際、トランプ政権は新型コロナウイルス拡散の責任を問うとして、新型コロナウイルスの発生地の中国に対する報復措置の検討に入り、トランプ大統領は中国への報復関税をちらつかせていましたから。

ところで、国内では、西村経済財政・再生相は5日の記者会見で、31日まで延長した緊急事態宣言の解除の可否を21日に判断する方針を示しました。ただし、東京や大阪など13の「特定警戒都道府県」には引き続き厳重な警戒を求める一方、他の34県は外出自粛や休業要請を一部緩和できるよう認めました。このように、経済活動の再開に向けて、日本もそろりと一歩踏み出しました。これは当然、日本株にとってポジティブな材料です。

一方、欧米では、新型コロナウイルスを巡る行動制限の緩和が加速しています。ドイツは6日、大型店舗などにも制限緩和を広げると決めました。また、イタリアでは4日、全土で3月10日から導入したロックダウン措置の段階的な解除が始まりました。そして、米国でも6日までに30州以上が経済活動を一部再開しました。

このような動きに対して、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は「新型コロナウイルスが瞬く間に広まる」として拙速な制限緩和へ警鐘を鳴らしてはいます。しかしながら、ワクチンや特効薬ができるまで、経済活動を完全に止めたり、厳しい規制を続けてしまっては、多くの国の経済は立ち行かなくなります。このため、今後、各国の政策当局は、いかに「感染拡大阻止」と「経済活動再開」のバランスを取るかに腐心することになりそうです。


今後に関しては、米国のVIX指数の動向に最大の注意を払うべきだと思います。8日の同指数は前日比2.68(7.85%)安の31.44でした。これが再び上昇傾向を示してきたら要注意ですが、上昇せずに、横這いまたは下降するようなら日米株式市場共に堅調な相場が継続する見通しです。テクニカル的にも、日経平均は25日移動平均線(8日現在19270.62円)も上回り続けています。このため、週明け以降も、25日移動平均線を割り込まない限り、リバウンド相場は継続することになると考えています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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