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2020年10月30日

相場の見立て・展望(10月30日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
10月14日の東証マザーズ指数は、前日比18.41ポイント(1.37%)高の1365.49ポイントで取引を終え、2006年8月24日以来、約14年2カ月ぶりの高値を付けました。しかしながら、その後、調整局面入りし、10月27日には一時1161.82ポイントまで下落する場面がありました。そして、10月30日の終値は前日比41.38ポイント(3.41%)安の1171.25ポイントで、一時1165.81ポイントまで下落し、10月27日の1161.82ポイントに肉薄しました。

10月30日現在の日足チャートでは、5日移動平均線(10月30日現在1203.47ポイント)、25日移動平均線(同1270.19ポイント)共に割り込んでいます。つまり、「パーフェクトオーダー(短期・中期・長期の3本の移動平均線が順番にキレイに同じ方向に並んでトレンドが発生している状態)」が崩れています。しかし、75日移動平均線(同1144.73ポイント)は依然として上回っています。

2020年10月19日〜23日の「投資部門別 株式売買状況[金額]」によれば、東証マザーズ市場で個人は214.94億円買い越しました。一方、海外投資家が103.89億円売り越しました。法人も110.87億円売り越しました。この週は、個人の買いに海外投資家と法人が売りをぶつけた格好となっています。ちなみに、「法人」の内訳では、金融機関が64.63億円、投資信託が23.66億円売り越しました。さらに細かくみていくと、「金融機関」の内訳では、信託銀行の54.06憶円の売り越しが目立ちます。また、「買い代金」の個人の現金・信用取引の比率は、現金が29.4%、信用が70.6%でした。

つまり、10月14日にピークアウトとした東証マザーズ指数の下落過程で、個人は積極的に買い向かいました。具体的には、10月12日~10月23日までの2週間で618.10憶円も買い越しました。結果、同期間の海外投資家の470.29億円と、法人の183.83億円売り越し分をほぼ完全に吸収したのです。ですが、買い代金の過半数を占める「個人の買い」の約7割が、信用(借金)で買われていることを考慮すると、75日移動平均線を割り込むケースでは、信用の買い建玉や代用有価証券が、維持率維持の関係で、「怒涛の投げ玉」に変わるかもしれません。

基本的な相場観としては、東証マザーズ指数に関しては、75日移動平均線割れが実現するまでは、「現在の調整は短期的なもので、中期の上昇トレンドは崩れていない」との相場認識で、「強気」を継続します。しかしながら、万が一割れてしまったら、「君子豹変」ではありませんが、「脱兎の如く」マザーズなど新興市場や、個人好みの小型材料株市場から、逃げ出す覚悟だけはしておきましょう。そのケースでは、「いったん撤収後、マザーズ指数が再び5日移動平均線を上回ってきたら買い戻せばいい」という感じで考えておけばよいでしょう。

一方、前回当コラムでは、「当面の日経平均は23000円~24000円のボックス相場を続ける見通しです。」としましたが、週末10月30日の日経平均は前日比354.81円安の22977.13円と、75日移動平均線(10月30日現在23120.75円)はもちろん、心理的な節目の23000円大台も割り込んでしまいました。フランスやドイツが、新型コロナウイルス感染拡大を抑えるためにロックダウンなどに踏み切ったことや、11月3日に米大統領選を控えているため、リスクオフムードが強まった結果です。

当面の下値メドは日足ベースの一目均衡表の雲下限(10月30日現在22646.10円)や、直近安値の8月28日の22594.79円が意識されそうです。一方、上値は25日移動平均線(同23446.70円)が意識されるとみています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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