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2020年10月16日

相場の見立て・展望(10月16日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
10月第1週(5~9日)のマザーズ市場で、海外投資家は4週連続で買い越しました。買い越し額は243億円で、データを遡れる2008年7月以降で最高の水準でした。このような海外投資家の買いを受け、10月14日までの東証マザーズ指数は好調でした。14日の東証マザーズ指数は、前日比18.41ポイント(1.37%)高の1365.49ポイントで取引を終え、2006年8月24日以来、約14年2カ月ぶりの高値を付けたのです。

東証マザーズ市場は、今年5月20日には時価総額が東証2部を初めて上回り、10月12日に初の10兆円の大台に乗せると、ジャスダック市場(スタンダードとグロースの合計で9兆9781億円)の時価総額も初めて逆転しました。9月16日に菅義偉政権が発足しました。そして、菅首相がデジタル庁構想など公的機関のデジタル化による構造改革を打ち出したことで、新興IT銘柄に物色の矛先が向かい、資金流入が加速した結果、マザーズ銘柄が買われました。

ただし、週後半(10月14日・15日)は流石に短期的な過熱感から、利益確定売りで大幅に続落しました。15日の東証マザーズ指数は反落、終値は前日比30.78ポイント(2.25%)安の1334.71ポイントでした。そして、週末16日の東証マザーズ指数は続落、終値は前日比22.12ポイント(1.66%)安の1312.59ポイントでした。

16日の日足チャートでは、5日移動平均線(16日現在1342.21ポイント)を割り込んでいます。よって、「パーフェクトオーダー(短期・中期・長期の3本の移動平均線が順番にキレイに同じ方向に並んでトレンドが発生している状態)」が崩れてしまいました。しかしながら、25日移動平均線(同1238.39ポイント)、75日移動平均線(同1111.08ポイント)共に上回っています。短期的な調整局面入りしたようですが、75日移動平均線を割り込むまでは、「弱気」に転じる必要はないと、私はみています。

一方、大型株の指標である日経平均ですが、目先は膠着する見通しです。新型コロナの感染急拡大に歯止めをかけるべく、フランスや英国が夜間の外出制限や会合禁止などの規制強化を打ち出しました。また、米国でも多くの州で感染数が再び増える傾向となっています。このため、世界経済の回復が遅れるとの見方が強まっています。ただし、米追加経済対策に関しては、大統領選挙前の与野党合意は難しくても、いずれ大規模対策はまとまるとの見方も強いため、米国株の下値は限定され、それは日経平均の下支え要因になるでしょう。

ところで、10月第1週(5~9日)の先物の投資部門別株式売買動向によれば、海外投資家は3週ぶりに買い越しました。買い越し額は1696億円でした。前週は6945億円の売り越しでした。一方、現物に関しては、海外投資家は5週ぶりに買い越しました。買い越し額は4170億円と、2019年の11月第1週の4602億円以来、11カ月ぶりの高水準でした。現物株との合算では5866億円の買い越しでした。この海外投資家の日本株買いが今後も継続するようだと、米国の大統領選挙後は「米政治リスク大幅低下」をきっかけに、日経平均は上昇トレンドを鮮明にする可能性が高いとみています。逆に、大統領選までは、23000円~24000円のボックス相場を継続すると考えています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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