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2020年9月4日

相場の見立て・展望(9月4日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
今週の東京株式市場も最後の最後で一転大荒れとなりました。3日の日経平均は前日比218.38円高の23465.53円と、終値ベースで、新型コロナ感染拡大で急落する直前の2月21日の水準(23386.74円)を回復しました。また、ザラ場中としては2月21日以来、約6カ月半ぶりに23500円台に乗せる場面があるなど、3日までの東京株式市場は良好でした。

しかしながら、3日のNYダウは3日ぶりに反落、前日比807.77ドル安の28292.73ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は5日ぶりに反落、同598.34ポイント安の11458.10ポイントでした。GAFAMなど、コロナ禍での株高を牽引してきたハイテク株に売りが膨らんだ結果です。これを受けた4日の日経平均は前日比260.10円(1.11%安)の23205.43円と大幅に3日ぶりに反落しました。

ところで、「ポスト安倍」に関しては、菅義偉官房長官でほぼ決まりそうです。また、菅氏が2日夕の記者会見で自民党総裁選への出馬を表明し、「(安倍政権が進めてきた)取り組みをしっかり継承し、さらに前に進めるために、私の持てる力を全て尽くす覚悟だ」と話し、「アベノミクス」路線継続を明言したので、市場では安心感が強まっています。なぜなら、株式市場に優しい、「積極財政」と黒田日銀による「超絶金融緩和」が少なくともあと1年は続くことが期待できるからです。

ちなみに、菅氏の特筆するべき政策テーマに関しては、市場では、「携帯料金引き下げ」、「地銀再編」、「ふるさと納税」、「インバウンド」、「マイナンバー」、「Go To キャンペーン」、「カジノ」などが注目されています。以下、その理由・背景を簡単に述べておきます。

消費者の関心が高い「携帯料金引き下げ」に関しては、菅氏は料金引き下げの旗振り役で、自由度が低い契約方式や店頭での待ち時間の見直しまで指示してきたという実績があります。「地銀再編」に関しては、「企業を支えるには必要だが将来的には数が多すぎる」と指摘しています。「ふるさと納税」、「インバウンド」に関しては、菅氏は2日の記者会見で、総務大臣時代に取り組んだ「ふるさと納税」制度の導入やインバウンドの拡大などを成果として強調しました。

「マイナンバー」に関しては、マイナンバー制度の普及促進策を検討する政府の作業チームの初会合で、菅氏は利便性の向上に向けてマイナンバーカードを、運転免許をはじめとする各種の免許証としても利用できるよう必要な制度改正に取り組む考えを示しました。「Go To キャンペーン」に関しては、8月21日のテレビ朝日の番組で、「Go Toトラベル」について「やらなかったことを考えたら大変なことになっていた。地域の活性化に少しは役立ってきている」と述べ、事業の意義を強調しました。そして、「カジノ」に関しては、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を巡り、整備地域の選定基準を盛り込んだ「基本方針」の策定について、菅氏は今年の7月27日の会見で、「カジノ管理委員会からもさまざまな指摘を受けており、担当の国土交通省を中心に検討を進めている」と説明しました。

それはさておき、今週の日経平均の週足のローソク足は、始値23147.14円、高値23580.51円、安値23047.77円、終値23205.43円です。実体が58.29円の小陽線でした。3日の米国株が大幅安になった割には、週足は陽線でした。今週の値動きに関しては、「上値も重いけど、下値も堅いなあ」というのが正直な感想です。

一方、4日の東証マザーズ指数も前日比30.57ポイント(2.61%)安の1139.90ポイントと大幅安でした。日足チャートでは、5日移動平均線(4日現在1151.89ポイント)を下回ってしまいました。ですが、25日移動平均線(同1083.24ポイント)、75日移動平均線(同1026.11ポイント)は上回っています。「パーフェクトオーダー(短期・中期・長期の3本の移動平均線が順番にキレイに同じ方向に並んでトレンドが発生している状態)」ではありませんが、少なくとも、75日移動平均線を割り込むまでは、「弱気」に転じる必要はないとのスタンスは変えません。

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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