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2020年8月7日

相場の見立て・展望(8月07日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
7日の日経平均は前日比88.21円安の22329.94円でした。それにしても、7月27日~7月31日の週の日経平均は、終値ベースでは1041.61円(4.58%)下落し、非常に弱い動きでした。結果、週足のローソク足は「陰の大引坊主」でした。この週は週を通して、売り物に押され続けて安値で引けたのです。これを受け、私は、前回の当コラムで、「ごく普通の個人投資家ならば、「無理をして相場を張らないこと」、「損をすぐに取り返そうとして焦らないこと」そして、「底入れのタイミングを虎視眈々と狙うこと」に集中するべきでしょう。」としました。

しかしながら、意外なことに週明け8月3日の日経平均は前週末比485.38円高と、大幅に反発しました。これは7月31日のNYダウが反発し、ナスダック総合株価指数も3日続伸したことに加え、3日の東京外国為替市場で円が対ドルで下落したことが好感されたためです。ドル/円は9時30分すぎには一時106円44銭前後と、7月24日以来の安値を付ける場面がありました。この外部環境の改善をきっかけに買い戻しが加速し、その勢いは翌4日も維持され、4日は前日比378.28円高となり、終値ベースでは2日間で863.66円も上昇したのです。なお、3日、4日の日経平均上昇の要因は急激な円安が主因でしょう。そして、私はここまでの急激な円安への揺り戻しは想定していませんでした。

さらに意外だったのが6日の日経平均の値動きでした。現地時間5日の米国株が非常に強い値動きだったのに、6日の大阪ナイトセッションの日経先物9月物は前日比50円安の22460円と、マイナスで引けてきたからです。ちなみに、5日のNYダウは4日続伸、前日比373.05ドル高の27201.52ドルでした。ナスダック総合株価指数は6日続伸、同57.23ポイント高の10998.40ポイントと連日で過去最高値を更新しました。なのに、日経平均先物は前日比でマイナスでした。そして、6日の日経平均は前日比96.70円安の22418.15円と冴えない動きでした。

米国株(特にナスダック)がメチャクチャ強いのに、それに連れ高できない日経平均。この最大の理由は、8月4日付けの新聞記事が的を得ていると考えます。当該記事では、“ある国内証券の担当者は「日本のIT株は、インフラ整備を担ったり、既存のサービスをネットで提供したりしているにすぎず、付加価値が低い」と話す。一方でGAFA(アルファベット、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)の業績は総じて市場予想を上回った。”と記載されています。

また、“東京証券取引所の投資部門別売買動向では、海外投資家はコロナ禍でアベノミクス以降の買い持ち高を全て売り越した。日米の株価上昇の差を生んでいるのは確かだ。”とも記載されています。

つまり、日本にはGAFAのような高付加価値、高成長期待銘柄が見当たらないため、海外投資家は日本株を売りこそすれ、積極的に買ってきていないのです。

トレンドフォローを好む傾向のある海外投資家が日本株を積極的に買わない限り、日経平均の明確な上昇トレンド入りは期待薄だとみています。その一方で、米国株が急落したり、外国為替市場で急激な円高にならない限り、下値は下値で堅そうです。結果、短期的には、日経平均は「トレンドレス」の「横ばい相場」が継続することになりそうです。

ただし、短期スタンスではなく、現時点での私の中長期的なメインシナリオでは、目先天井が6月9日の23185.85円、6月15日の21529.83円が「1番底」、7月31日の21710.00円が「2番底」です。ネックラインは7月15日の22965.56円です。よって、今後、22965.56円を上抜けるようなら、日経平均には「上昇トレンド」が発生するとみています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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