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2020年7月17日

相場の見立て・展望(7月17日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
16日発表の中国の4~6月期の実質GDPは前年同期比3.2%増と2四半期ぶりのプラス成長となり、市場予想を上回って改善しました。しかしながら、銀行保険監督管理委員会は14日に株式市場や住宅市場への違法な資金流入に対する締め付けを強化する方針を表明しました。また、政府系ファンドの中国全国社会保障基金も、保有する大手国有銀行の1つである交通銀行株の一部を売却したことが明らかになりました。

このような、株価高騰を抑えようとする中国の政策当局の姿勢が鮮明になったことに加え、英国政府が5Gから華為技術(ファーウェイ)製品の排除を決めたこと、さらには、中国の6月の小売売上高が1.8%減と市場予想の0.3%増を大きく下回ったことで、16日の上海総合指数は大幅に3日続落、前日比151.2058ポイント(4.49%)安の3210.0986ポイントでした。

一方、米国では、週間の新規失業保険申請件数は11日までの1週間で130万件と市場予想(125万件程度)以上だったことに加え、減少幅も1万件にとどまり、雇用環境の改善ペースが鈍化しました。さらに、米国では南部や西部を中心に新型コロナウイルスの感染が再び急増しているため、労働市場の回復が鈍化しているとの懸念が強まっています。

しかしながら、ネガティブなニュースばかりはでありません。例えば、FRB、ECB、日銀など主要国の各国中銀による金融緩和であふれたマネーが行き先を求めて株式市場に流入しています。さらに、主要国の政府は積極的に財政出動をしており、例えば、米議会では追加の景気下支え策の議論が近く始まる見通しです。このように、主要国では、金融・財政両面で景気・株式市場を全力で支える姿勢を崩していません。これは極めてポジティブな材料と考えます。

こうした状況を反映して、日経平均は底堅いものの、上値の重い値動きが続いています。実際、17日の日経平均は前日比73.94円(0.32%)安の22696.42円と、2日続落しました。前日16日には一時22925.90円まで上昇し、23000円大台回復目前まで買われましたが、売りに押され力尽き、前日比175.14円安の22770.36円で取引を終えました。

16日は、東京都の新型コロナの新規感染者数が280人超と、これまでで最多になると伝わったことが嫌気されたため、日経平均は失速したのです。そして、翌17日も、東京都で確認された新型コロナウイルスの新規感染者が293人と過去最多になったと午後に伝わり、これを嫌気した売りが出て、日経平均は軟調推移を余儀なくされました。

このように、週後半の日経平均は確かに軟調でした。しかしながら、6月9日の23185.85円からの調整は6月15日の21529.83円でいったん一巡し、現在は値幅ではなく日柄調整をしていると認識に変更はありません。そして、近い将来、現在の「もみ合い相場(21529.83円~23185.85円のボックス相場)」から上下いずれかに放れる可能性は低くはないとの見方も不変です。このため、投資戦略的には、上下いずれかに放れたら、素直にその放れた方向につく方針も堅持しましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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