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2020年5月29日

相場の見立て・展望(5月29日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
29日の日経平均は前日比38.42円(0.18%)安の21877.89円でした。5日ぶりに小幅ながら反落しました。今週の日経平均は終値ベースで1489.73円(7.31%)も上昇しました。25日に政府が緊急事態宣言を全面解除したことで投資心理が改善し、買い戻しが加速した結果です。28 日の日経平均の終値は21916.31円で、テクニカル的に長期的な節目となる200 日移動平均線(28日現在21656.73円)を上回りました。200日移動平均線を回復するのは、コロナショックで急落した2 月後半以降で初めてのことです。テクニカル的には、長期的な「買いサイン」点灯とみてよいでしょう。

短期のテクニカルでも、29日のMACD(12日-26日)は522.14、シグナル(9日)は341.31と、その差はやや拡大し、デッドクロスが明確に回避されています。よって、今後、MACDとシグナルがデッドクロスが危惧されるような状況にならない限り、日経平均は堅調に推移する見通しです。また、日経平均が25日移動平均線(29日現在20265.47円)を上回り続けている限り、3月19日の16358.19円を起点にしたリバウンド相場は継続しているとみてよいと考えます。

一方、28日の米国のVIX指数は前日比0.97(3.51%)高の28.59でした。また、VXMは前日比1.02(3.38%)高の31.21で、VIX/VXVレシオは前日比0.13%高の0.92でした。同レシオが1を下回っているので米株式相場は好調といえます。よって、VIX指数自体が40を超えてきたり、VIX/VXVレシオが1を超えてこない限り、米国株市場が乱高下することはないとの見方は不変です。

ところで、ニューヨーク・タイムズは28日、トランプ政権が米国に滞在する一部の中国人の留学生や研究者のビザの効力の停止を検討していると報じました。対象は中国の人民解放軍の影響下にある大学と結びつきのある大学院生や研究者らで、研究成果などの知的財産の窃取を防ぐことが狙いだそうです。そして、トランプ米大統領は28日、中国への米国の対応措置について29日に発表すると明らかにしました。中国による香港への統制強化を受けた措置に関して公表する可能性が指摘されています。

この発表をきっかけに、さらに米中の対立が激化する懸念はあります。大統領選挙を控え、トランプ大統領は対中強硬姿勢を取り続ける必要があるのでしょう。ただし、「激しい口撃」はしても、最終的には、米経済に大きな打撃を与えるような政策は避ける可能性が高いとみています。このため、仮に、米中の非難合戦が若干ヒートアップして、それを市場が「利食い売りの口実」にするようなら、そこの「押し目」は絶好の買い場になると考えます。

また、トランプ大統領は28日、ツイッターなどのSNSの規制強化に向けた大統領令に署名しました。SNS運営企業が政治的理由などから投稿を制限したり、削除したりした場合に、利用者らが企業に法的責任を問えるようにする案を検討するそうです。28日の米株式市場では、これが嫌気されました。しかしながら、大統領令だけでは通信品位法を覆すことはできないため、この大統領令によるSNS関連を中心にしたIT関連への影響は限定的でしょう。

基本的には良好な投資環境が継続する見通しです。積極的な市場参加が報われる局面とみています。確かに短期的なテクニカルは超過熱しています。先物でも個別でも「ショート」したくなるかもしれません。しかし、安易な「ショート」は控えましょう。いまのトレンドは「上向き」です。トレンドに乗り、トレンドを友達にしたポジションを構築することに集中するべきだと考えます。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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