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2020年5月15日

相場の見立て・展望(5月15日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
15日の日経平均は前日比122.69円(0.62%)高の20037.47円でした。一時19832.88円と2万円を割り込む場面がありましたが、大引けでは回復しました。底堅い動きでした。その一方で上値も重く、足元の日経平均は方向感がなくなっている感じです。

ところで、前回当コラムで指摘したように、私は米国のVIX指数の動向に最大の注意を払っています。14日の同指数は前日比2.67(7.57%)安の32.61でした。同指数は今週12日に26.00まで低下する場面がありました。しかし、14日に39.28まで上昇しました。ですが、結局伸び悩み、14日は32.61で終了しました。これが来週以降、再び上昇傾向(具体的には40を大きく超えていくイメージ)を示してきたら要注意です。

一方、日経平均については、テクニカル的には、15日の終値は20037.47円と、25日移動平均線(15日現在19661.77円)を上回り続けています。このため、週明け以降も、25日移動平均線を割り込まない限り、(上値は重いながらも)リバウンド相場は継続することになると考えています。ですが、15日のMACD(12日-26日)は214.16、シグナル(9日)は173.97と接近し、デッドクロスが視野に入りつつあります。今後、MACDとシグナルがデッドクロスするようだと、日経平均の調整色が強まりそうです。

そのきっかけとなりそうなのが、米中対立の激化懸念の強まりです。というのは、ここにきて、新型コロナウイルスのパンデミックを巡って、トランプ大統領の中国批判がやや過激になっているからです。

ちなみに、「トランプ米大統領は、中国の習近平国家主席について「いまは話をしたくない」と、14日朝に放送されたFOXビジネスとのインタビューで語った。さらに、中国と「完全に断交することが可能か、断交した場合に何が起きるか」思案していると述べ、「5000億ドル(約53兆5000億円)を節約できるだろう」との見方を示した。ニューヨーク証券取引所およびナスダックに上場しながら米国の会計規則に従っていない中国企業を「注視している」とも主張、「非常に厳しく注視している」と述べた。」とブルームバーグが報じています。

また、「ニューヨーク・タイムズ」は、「中国が新型コロナウイルスのワクチン開発や治療などの情報をアメリカからハッキングやスパイ行為によって盗もうとした」と伝えました。これに関して、中国外務省は会見で、報道に対して「証拠を出せないうえにデマを流して中傷することは不道徳だ」と反発しています。

さらに、13日、中国に批判的な姿勢を強めるトランプ政権の意向を反映し、米国の連邦職員向けの年金基金を運営する連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)が中国株への投資を延期すると発表しました。このように米中の政治的な対立が投資の世界にまで影響を与え始めています。

ただし、悪材料ばかりではありません。最大の好材料は世界各地で経済活動の再開が加速していることです。米国では既に多くの州で段階的に経済活動の再開が始まっています。一方、国内では、政府は14日夜の新型コロナウイルスに関する対策本部で、緊急事態宣言を39県で解除すると決定しました。このような世界的な経済活動再開は、落ち込む一方だった景気の悪化に歯止めが掛かるため、世界の株式市場へのポジティブ材料です。

このため、今後、日経平均は調整入りしたとしても、パニック的な下落とはならず、常識的・健全なテクニカル調整になると考えています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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