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2020年5月1日

相場の見立て・展望(5月1日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
4月30日、安倍首相は5月6日が期限となる緊急事態宣言を延長する方針を明らかにしました。緊急事態宣言の対象地域を全国としたまま、延長の期間を1か月程度とすることで調整を進めていて、4日にも専門家に意見を聴く「諮問委員会」を開き、正式に延長を決定するとういうことです。ですが、この緊急事態宣の延長自体は各種報道で、市場は事前に予想し、織り込んでいた可能性が高いので、投資家が動揺することはないでしょう。

ところで、4月30日発表の米失業保険の新規申請件数は、4月25日までの1週間で383.9万件と、前週の444万件からやや減速したとはいえ、歴史的な高水準です。申請数は6週間で3000万件を突破し、米労働市場では6人に1人が職を離れた計算になるそうです。このような惨状の米労働市場に関して、パウエルFRB議長は、4月29日のFOMC終了後に記者会見で、「来週の雇用統計では、わずか2カ月前までは50年ぶりの低水準だった失業率が2桁に急上昇すると予測されている。」、「長く失業状態にあった労働者がスキルを失ったり、キャリア回復が難しくなったりする懸念もある。」と強い懸念を示しています。

ただし、議長は、「我々は今日改めて、経済の視界が晴れたと自信を持てるまで、この金利水準を維持することを声明に記した。最大の雇用と安定した物価目標を実現していく。」と金融市場に対して、心強い言葉を発してくれています。このため、暫くの間、相当悪い経済指標の発表が相次いだとしても、米国経済の酷い状況が示唆される経済指標が相次いだとしても、2月下旬から3月の暴落時のように、投資家が激しく動揺することはないでしょう。

前回当コラムで、ウォール街の相場格言「FEDと闘うな!(Don't fight the Fed.)」を取り上げました。繰り返しになりますが、これは、Fed(FRB:連邦準備制度理事会)が打ち出す方針に逆らわずに素直に従え、という意味の格言です。当面、投資家はこの格言を信じて、米国を中心にした世界の株式市場を展望した方がいいとの考えは不変です。

また、中国では、新型コロナのまん延を理由に延期していた全人代が5月22日に開幕します。開幕すれば、新型コロナの経済対策を盛った予算も承認されるため、金融支援に続き、財政出動も加速する見通しです。そして、その中国は移動や外出の制限を緩和中です。自粛モードを解いた人々が「リベンジ消費」に乗り出す気配が濃厚だそうです。期待通りに、中国の景気がV字回復に向かうのであれば、世界の経済・株式市場にとっては非常に明るいニュースになるでしょう。

なお、先行きの日本株のシナリオは引き続き、「日経平均は3月19日の16358.19円で「1番底」をつけ、3月25日の19564.38円が「ネックライン」、4月3日の17646.50円が「2番底」そして、現在は「本格的なリバウンド」の最中ということになります。」というものです。このシナリオを当面は維持します。

実際、日経平均は4月30日に20365.89円まで戻りました。確かに、1日は前日比574.34円(2.84%)安の19619.35円とでした。ですが、1日は5連休直前の営業日でしたし、それまでの上昇ピッチも急だったので、いい押し目になったとみています。また、25日移動平均線(1日現在19215.44円)も上回り続けています。このため、連休明けも、25日移動平均線を割り込まない限り、リバウンド相場が継続することになると考えています
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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