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2020年4月10日

相場の見立て・展望(4月10日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回までのシナリオは、日経平均は3月19日の16358.19円で「1番底」をつけ、3月25日の19564.38円で「戻り高値」をつけて、現在は、「2番底」を模索中というものでした。しかしながら、3日の17646.50円が直近安値となり、10日には一時19500.07円まで上昇する場面がありました。なお、今週の始値は17857.99円、高値は19500.07円、安値は17802.62円、終値が19498.50円と、ローソク足は1640.51円の実体の「大陽線」でした。こうなると、3日の17646.50円で「2番底」が入り、現在は「本格的なリバウンド」の最中ということになります。

このリバウンド発生のきっかけは、米国などの新型コロナ感染ピッチの鈍化期待の高まりと、原油減産合意期待の高まりでした。例えば、6日の日経平均は前週末比756.11円高の18576.30円でした。この日の上昇は、米ニューヨーク州での新型コロナウイルスでの死者数が前の日から減少したと伝わったことや、ロシアとサウジアラビアの原油減産合意が「非常に近い」と米CNBCが報じたことなどが好感された結果です。また、7日の日経平均は前日比373.88円高の18950.18円でした。この日は、中国政府が、中国本土で新型コロナウイルスによる新たな死者数が6日はゼロだったと発表したことが追い風でした。

そして、8日の日経平均は前日比403.06円高の19353.24円でした。この日は、政府の緊急事態宣言を受けて当面の悪材料が出尽くしたとの見方を強めた投資家が、買い戻しを入れたと観測されていました。ご存じの通り、7日、安倍首相は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言を発令しました。感染が急拡大している東京や神奈川など7都府県が対象で、実施期間は5月6日までです。

また、7日、事業総額108.2兆円という過去最大の経済対策が閣議決定されました。政府が実際に支出する財政支出でも39.5兆円と過去最大の規模です。対策の中身は、現金給付や資金繰り対策が柱です。市場でも色々な評価はあるようですが、その後の日経平均の推移をみる限り、市場はこの対策をそれなりの高評価を与えているのでしょう。

ただし、東京都の小池知事は10日午後2時から記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、都が基本的に休業を要請する6つの業態や施設を公表しました。このうち居酒屋を含む飲食店については「夜間の外出自粛を求めている観点から、朝5時から夜8時までの間の営業を要請し、酒類の提供は夜7時までとすることを求めていく」と述べ、営業時間の短縮などへの協力を要請しました。

政府の緊急事態宣言は、都道府県知事による外出自粛要請などに法的根拠を与えるため、人やモノの移動がさらに鈍るでしょう。海外のような強力な都市封鎖(ロックダウン)とは異なるとはいえ、日本経済が一段と冷え込むことは不可避です。それでも、欧米の感染拡大がピークアウトしつつあることや、日本でも、それなりの規模の経済対策が打ち出されたことで、下値は固まってきたと考えます。今後の日本株については、「押し目買い戦略」に変更です。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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