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2020年3月27日

相場の見立て・展望(3月27日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
27日の日経平均は前日比724.83円(3.88%)高の19389.43円でした。19日の安値16358.19円からは値幅で3031.24円、上昇率は18.53%でした。一応、日経平均は底入れたような動きとなっています。これは米国株も底入れた感じになったことが大きく寄与しています。

25日、米上院は2兆ドルの景気対策法案を可決しました。そして、米下院は27日に採決し、同案は同日中に成立する見込みです。家計には大人1人に最大1200ドル、子供1人にも500ドルの現金支給を実施するなどで、家計部門には5000億~6000億ドルの財政支出が見込まれています。一方、企業部門には8500億ドルの枠を設けました。3500億ドル分は中小企業が支払う給与などを事実上、肩代わりします。航空会社などの支援にも750億ドルを用意し、残る4250億ドルの大半はFRBの「政府保証」に充てます。

FRBはこの資金を原資に企業や地方政府などに、4兆ドル規模の資金供給に踏み出す考えだそうです。新型コロナで経営に影響を受けた一般企業向けにFRBが資金を供給し、これまで手掛けてこなかった社債の購入などを検討します。地方債の購入なども可能になり、州・地方政府の資金支援も強めます。米政権はFRBの新たな資金供給の規模を「最大で4兆ドル」と見込んでいるそうです。そのFRBは23日、米国債などを無制限に購入する緊急措置を決めています。

この米国の金融・財政当局の「やれることは何でもやる」という強硬な姿勢が市場に評価され、米国株式市場が底入れ機運を強めています。そして、日本株もいったん底入れた格好になっています。

ところで、日本株ついては、一部大手証券が、「日本に関しては年度末にはETFの配当落ち分を先物でカバーするため、権利落ち日は堅調になりやすい。3/27(金)引け際から3/30(月)にかけて7500億円程度先物を買い建てると推計している。その後の4月の新年度資金、季節的にも外国人買いなどが期待できる。」としているようです。

ですが、新型コロナウイルスの感染者急増を受け、25日夜に東京都の小池百合子知事が都庁で緊急の記者会見をしました。そこで知事は、「平日はできるだけ仕事は自宅で行い、夜間の外出は控えてほしい」、「週末は急ぎでない外出は控えてほしい」と訴えました。外出自粛要請の対象期間は4月12日までだそうです。確かに、小池知事は東京の「都市封鎖(ロックダウン)」については「今すぐということではない」と早期実施を否定したものの、市場はそのリスクに怯えています。

ただし、底入れ機運が強まっているとはいえ、26日のVIX指数は前日比2.95(4.61%)安の61.00と、高止まりしています。つまりまだ、多くの投資家は「パニック状態」から脱していません。このため、日米ともに、ハイボラティリティー相場(VIX指数・日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)が高騰している相場)が継続することは覚悟しておく必要があります。基本的には、戻り高値をつけた後、実現するであろう「2番底」での買い出動をお勧めします。

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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