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2020年2月14日

相場の見立て・展望(2月14日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
前回当コラムで、「来週の日経平均の想定レンジは25日移動平均線(7日現在23597.99円)~18年10月2日の24448.07円です。ただし、確率は非常に低いとみてはいますが、外部環境が急激に悪化して、100日移動平均線(同23008.13円)を終値で割り込むと、再び200日移動平均線(同22125.51円)トライが現実味を帯びると考えています。」としました。

実際の日経平均の週足は、始値は10日始値の23631.79円、高値は13日の高値23908.85円、安値は14日の安値23603.48円、終値は14日の23687.59円でした。週末14日時点では、25日移動平均線(14日現在23654.81円)を終値で若干ながら割り込んでおり、上値の重さが痛感させられた1週間でした。ですが、100日移動平均線(同23098.08円)は大幅に上回っています。このため、下値不安が強まっている状況ではないでしょう。

こうなると、当面の日経平均は25日移動平均線を中心にした「もみあい」となりそうです。具体的な来週の日経平均の想定レンジは25日移動平均ベースのボリンジャーバンドマイナス1σ(14日現在23305.13円)~同+1σの23995.23円とみています。

日経平均の上値が重くなっている最大の要因は、企業収益改善期待の後退です。というのは、14日で発表が一巡した国内主力企業の19年4~12月期決算内容の多くが低調な内容だったことで、来21年3月期の業績回復期待が大幅に後退しているのです。

また、日本国内でも新型肺炎による死者が初めて確認されたのをはじめ、国内での新型肺炎の感染拡大に関する相次ぐ報道も、投資マインドを冷やしている感じがします。小売りや観光を中心に業績に直接的なマイナスなインパクトを受ける企業群は売られ易くなっています。ただし、感染拡大による経済への悪影響を相殺するべく、政府部門が積極的に財政出動するはずなので、将来の日本経済全体に関しては、強気になるべきだと思っています。

つまり、短期的な企業収益悪化を手掛かり材料にして、商品投資顧問(CTA)などトレンド追随型の海外ヘッジファンドが株価指数先物を売り仕掛け、その結果、相場が短期的な下落をしたとしても、中長期的なスタンスでは、「そこは絶好の買い場」になるとの認識です。

実際、新型肺炎の拡大に収まる兆しがみえない震源地の中国では、14日、上海総合指数は小反発しました。これは、新型肺炎の感染拡大で企業活動の停滞や景気減速が進めば中国政府が大胆な景気対策を矢継ぎ早に打ち出すとの期待が根強いため、「買い」が入るのでしょう。震源地の中国株がこれだけしっかりした動きを続けているのです。日本株に対しても、強気を維持するべき局面と、私は考えます。

ただし、日本国内での新型肺炎感染拡大で直接的なダメージを被る、小売り(特に百貨店)、ホテル、旅行会社(特にクルーズ旅行)、航空会社などへの「逆張り的な買い」は避けるべきだと思います。あくまでも、「連れ安した、業績への影響が限定的な銘柄」か、「新型肺炎拡大が企業収益にプラスに作用する銘柄」だけを当面は狙いましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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