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2020年1月24日

相場の見立て・展望(1月24日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
23日のNYダウは3日続落、前日比26.18ドル安の29160.09ドルでした。ただ、一時219.29ドル安まで売り込まれたものの、WHOが新型肺炎について、緊急事態宣言を見送ると急速に下げ渋りました。一方、ナスダック総合株価指数は続伸、同18.710ポイント高の9402.478ポイントと、17日以来3営業日ぶりに過去最高値を更新しました。この米国のIT関連株の強さは、日経平均の下支え要因です。

ところで、WHOは23日、新型のコロナウイルスによる肺炎について、前日に続き緊急委員会を開き、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送ることを決めました。「現時点では人から人の感染は中国で家族内と医療関係者に限定されており、世界的な脅威と指定するには時期尚早と判断した」そうです。これは、パンデミック(世界的な感染の流行)発生による世界的な景気低迷を危惧した市場には、ポジティブ材料です。

また、23日の取引終了後に発表した19年10~12月期決算で、売上高と1株利益が市場予想を上回り、且つ、20年12月期も増収になるとの見通しを示した、インテル株が時間外取引で大幅高となりました。これは米国の半導体セクターのみならず、日本の半導体関連にも追い風といえるでしょう。

このような情勢を反映して、24日の日経平均は前日比31.74円高の23827.18円と小幅反発しました。テクニカル的には、終値で25日移動平均線(24日現在23823.28円)を辛うじて上回りました。上値は重いものの、下値が同線にサポートされた格好で今週の取引を終えたことは評価できます。

そういえば、“ヘッジファンドのチューダー・インベストメントの創業者のポール・チューダー・ジョーンズ氏もCNBCに対し、「理論的観点からは相場の天井はかなり高い」との認識を示した。異常な低金利と過去に例のない財政支出の相乗効果が景気を刺激し、投資家をリスク資産への投資に向かわせていると指摘する。”と報じられています。これは米国株への見通しを述べたものですが、私は「ジョーンズ氏の指摘」は日本株にも、ほぼ完全に当てはまると考えています。

確かに、新型コロナウイルスによる肺炎の感染急拡大を受けて、足元の米国株式市場、特にNYダウの上値は重くなっています。しかしながら、これが収束に向かうようなら、再び米国株式市場は上昇トレンドに回帰する見通しです。一方、日本株についても、前回当コラムで指摘しましたが、足元のドル高・円安を根拠に、万が一主力の輸出関連企業の19年4~12月期の決算数値が、市場コンセンサスを下振れ着地したとしても、投資家のマインドを急激に冷やす可能性は低いとみています。

そして、これも前回の繰り返しになりますが、日銀短観12月調査では、企業が収益計画の前提とする想定為替レートは1ドル=106円90銭です。対して、足元では1ドル=110円アラウンドの円安水準での推移となっています。つまり、このままの水準が期末まで続けば、主力の輸出関連企業群の業績は上振れする見通しです。

以上のことから、来週の日経平均の想定レンジは、心理的節目の23500円~18年10月2日の高値24448.07円です。引き続き、25日移動平均線を上回って推移している間は、底堅い動きが続くでしょう。ですが、25日移動平均線を割り込むようだと、調整入りし、まずは心理的節目の23500円が意識されるとみています。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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