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2020年1月10日

相場の見立て・展望(1月10日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
9日のNYダウは続伸、前日比211.81ドル高の28956.90ドルと、2日以来となる過去最高値を更新しました。ナスダック総合株価指数は同74.184ポイント高の9203.426ポイント、S&P500種株価指数も同21.65ポイント高の3274.70ポイントと、両指数とも過去最高値を更新しました。この日は、中国商務省の報道官が、貿易協議の第1段階の合意文書について、劉鶴副首相が渡米し、15日にも署名すると発表したことが好感されました。

それにしても、今年の日経平均は大発会から乱高下しました。6日の大発会は大納会比451.76円安、7日は前日比370.86円高、8日は同370.96円安、そして、9日は同535.11円高と激しい値動きでした。これは米国とイランの対立が激化したことが主因です。まず、米国防総省は2日、イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官を空爆で殺害したと発表しました。コッズ部隊はイランの最高指導者であるハメネイ師の直属組織、革命防衛隊の中核を占め、イランの対外工作を担ってきたそうです。この殺害が、大発会の451.76円安に直結しました。

その後、イランは米国への報復として、イラクにある米軍の駐留基地に、イランが十数発の弾道ミサイルを撃ち込みました。トランプ大統領はそれまで、司令官殺害に対するイランが報復に動いた場合は反撃する方針を示していました。このため、市場は、米国とイランとの大規模な軍事衝突の発生を危惧して、リスクオフムードが強まったのです。これが8日の370.96円安につながったのです。

しかしながら、8日、トランプ大統領はイラン情勢に関する演説を行いました。そして、「米軍は我が政権下で完全に再建された。だが、軍事力を使いたくはない。軍事、経済での米国の力は最善の抑止力だ。」と述べたことで、米国とイランの衝突は回避されるとの見方が強まりました。これが9日の535.11円高の主因となりました。そして、10日の前日比110.70円高の23850.57円と、落ち着いた感じで今週の取引を終えることができたのです。。

ところで、需給面では、12月第4週(23~27日)、海外投資家は日経平均先物とTOPIX先物を合算した売り越し額は217億円と、4週ぶりに売り越しました。一方、海外投資家は、現物を3週連続買い越しました。買い越し額は1553億円でした。日本株の現物と先物の合算については、1336億円買い越しました。前々回の当コラムで、「クリスマス休暇前のため、12月第3週(16~20日)、第4週(23~27)は、この海外勢の買いの勢いは、多少鈍る、または一時的に利益確定売りが優勢になり、若干売り越しになるかもしれません。」と指摘しておきました。そしてやはり、外国人の買いのみの金額は4兆4713億円と、19年1月第1週の2兆554億円以来の少なさでした。

それにしても、日経平均の昨年来高値は昨年12月17日の24091.12円です。これが未だに天井になっています。つまり、24000円オーバーでの上値の重さが実感させられる値動きが継続しています。ですが、中東情勢緊迫化で急落した8日の安値は22951.18円と、75日移動平均線(8日現在22935.85円)が強力なサポートとして機能しました。よって、日経平均については、中期のトレンドは引き続き「上向き」とみてよいでしょう。

最後に、来週の日経平均の想定レンジは、75日移動平均線(10日現在22960.51円)~18年10月2日の高値24448.07円です。25日移動平均線(10日7現在23636.56円)を上回って推移している間は、強い動きが続き「上方向」を目指すでしょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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