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2019年11月29日

相場の見立て・展望(11月29日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
29日の日経平均は続落、前日比115.23円(0.49%)安の23293.91円でした。始値が23497.44円、高値が23498.77円、安値が23273.37円でしたから、「ほぼ寄り付き天井・安値引け」でした。ちなみに、29日まで、日足のローソク足は5日連続で「陰線」となっており、「上値が重いという印象」が非常に強い動きとなっています。

27日、トランプ米大統領は、「香港人権・民主主義法」に署名し、同法が成立しました。これに対して、中国は「内政干渉」だと強く反発し、報復措置をとる構えをみせています。このため、米中の貿易協議にも悪影響を与えるとの懸念が市場で強まっています。今後、中国が具体的な報復措置を表明すれば、その内容次第では、日本株の売り材料となる可能性があります。要警戒ですね。

ただし、海外投資家が日本株を売り越してこない限り、押し目があったとしたらそこは絶好の押し目買い好機となるとみています。たしかに、11月第3週(18~22日)、海外投資家は8週ぶりに日本株を売り越しました。しかし、売り越し額はわずか160億円です。また、日経平均先物とTOPIX先物を合算した買い越し額は1156億円と、6週連続で買い越しました。現物株との合算では995億円の買い越しです。少なくとも、現物・先物の合算が売り越しに転じない限り、安易に弱気になることは御法度です。

日経平均については、26日の23608.06円でいったんピークアウトしています。しかしながら、私は中期のトレンドが上向きとみています。そうはいっても、米中貿易協議の不透明感が強まっています。このため、貿易協議関連のニュースヘッドライン次第では若干「もたつく」可能性が高まったとも考えています。つまり、多少の下振れ、所謂「スピード調整」は覚悟しておく必要はあります。以上のことから、来週の日経平均の想定レンジは21日安値22726.71円~26日高値23608.06円です。

それにしても、11月第3週の新興市場で、個人投資家の売り越し額は246億円と、2015年8月第4週の259億円以来、およそ4年3カ月ぶりの大きさでした。売り越しは2週連続です。一方、海外投資家は2週連続で買い越ましした。買い越し額は171億円と、2018年10月第5週の201億円以来、およそ1年1カ月ぶりの大きさでした。「逆張り個人」が売り、それを「順張りの海外勢」が買い向かうという構図になっています。

なお、29日の日経ジャスダック平均株価は6日続伸、連日で年初来高値を更新しました。昨年10月24日以来、およそ1年1カ月ぶりの高値水準です。また、東証マザーズ指数も6日続伸しました。29日の東証マザーズ指数の終値は前日比1.62ポイント(0.18%)高の915.14ポイントと、ようやく200日移動平均線(29日現在891.99ポイント)を上回ってきました。今後、200日移動平均線を割り込まない限り、マザーズ指数に関しては日経平均に対する出遅れ修正が期待できる局面になったとみるべきだと思います。

このような投資環境の変化を感じたらからこそ、前回当コラムでは、「運用戦略としては、「海外勢の買いが目立つ、好業績の大型株を中心に売買する!」は不変ですが、「今の上昇相場に上手く乗れていないとみられる個人投資家の関与率の高い新興銘柄や、小型材料株は避ける!」という方針は変更し、「好業績の小型株も投資対象に加える!」にしておきたいと思います。」と書きました。

そして、来週に関しては、大型株が米中貿易協議の不透明感の強まりで上値が重くなりそうなので、「新興市場中心にした、好業績の小型株を中心にした積極運用」をお勧めしたいと思います。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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