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2019年11月1日

相場の見立て・展望(11月01日付)

情報のプロフェッショナル
藤井 英敏
1日の日経平均は反落、前日比76.27円(0.33%)安の22850.77円でした。10月31日のNYダウは反落、前日比140.46ドル安の27046.23ドルでした。これが嫌気されました。なお、NYダウ下落の背景は、ブルームバーグ通信が10月31日に米中貿易協議に関して、「中国高官らは包括的で長期的な合意に疑問を呈している」と報じたことが悪材料視されたからです。また、日本は2日から3連休に入ることに加え、日本時間1日夜に、10月の米雇用統計や米ISM製造業景況感指数といった主要統計の発表を控えているため、多くの投資家が買いを手控えました。このため、売りにやや押された格好です。

ところで、前回当コラムで、「来週の日経平均の想定レンジは22457.89円(23日安値)~心理的節目の23000円です。ただし、トレンドは上向きのため、多少の上振れは想定の範囲内です。」としましが、実際の高値は10月29日の23008.43円でした。まあ、想定の範囲内の高値でした。また、前回は「テクニカル的に、昨年10月2日の24448.07円から同年12月26日の18948.58円までの下落幅(5499.49円)に対する61.8%戻し(22347.26円)も、三分の二戻し(22614.91円)も既に上回ったため、今後は全値戻し(24448.07円までの戻り)が期待できる状況となったと考えています。」としましたが、現時点においても、この見通しに変更はありません。

ただし、いったん23000円大台を回復したことで、目先の達成感が出たことも事実です。このため来週の日経平均は「高値圏でのもみあい」、即ち、「時間調整」となるとみています。具体的な想定レンジは25日移動平均線(1日現在22187.22円)~10月29日高値23008.43円です。これについても、中期のトレンドが上向きとみているため、上限の23008.43円を多少の上振れをしても不思議はないと考えています。

ところで、ここ最近の市場では、19年4~9月期決算で減益発表をしたり、実績が市場予想を下回っていても、発表後、「下振れ・減益は織り込み済み、目先の悪材料出尽くす」といった感じの値動きをするものが多いように感じます。おそらく、この業績下振れに関しては、8月6日に20110.76円を付けた後、暫く21000円を下回って推移した間に、「今期の悪業績は織り込まれた」のでしょう。

なお、足元の上昇相場の牽引役は、やはり海外投資家です。10月第4週(21~25日)、海外投資家は4週連続で買い越しました。買い越し額は1521億円と、前週の5563億円からは買い越し幅が縮小したものの、それなりの規模の現物を買い越しています。また、10月第4週(21~25日)、海外投資家は先物を2週連続で買い越しました。日経平均先物とTOPIX先物を合算した買い越し額は1213億円でした。この週の外国人は、先物・現物合計で2734億円買い越しました。彼らが買い越しを続ける限り、日経平均などの株価指数は「上がり易く、下がり難い」状況が続く見通しです。

ただし、最近、周りの友人たちから現況をヒアリングしていますが、日経平均が強くても、儲かっている人と、全然ダメな人の二極化が激しい感じがしています。おそらく、相場の難易度が上がっているからなのでしょう。個人好みの銘柄に関しては、ごく一部の銘柄しか上がらず、そのごく一部の銘柄に関しても、値動きが非常に激しいので、それについていけていない投資家が多いようです。また、「パッシブ運用の勢いが凄く、なかなかアルファが取り難くなっている。」という声もありました。そして、ある友人は「空売り主体でやっている投資家と、長期投資をやっている投資家以外、誰も儲かってなさそうだよ。」といっていました。

つまり、今は「日経平均など株価指数は強くても、短期スタンスの個人はあまり儲かっておらず、相場自体の体感温度は低く、また、相場の難易度は高い。」といえるでしょう。このような相場では、不人気銘柄を避け、人気銘柄だけに投資対象を絞り、その人気銘柄の押し目買いを心掛けましょう。この手の銘柄は上げ下げが激しいので、高値掴みを避けるべく、調子に乗った順張り買いは控え、丁寧に押し目を待って、そこを拾いましょう。
情報のプロフェッショナル
藤井 英敏

カブ知恵代表取締役。
1989年早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日興證券(現SMBC日興証券)に入社。前職のフィスコ(証券コード3807)では執行役員。フィスコを代表するマーケット・アナリストとして活躍。退職後に同社のIPOを経験。2005年にカブ知恵を設立。歯に衣着せぬ語り口が個人投資家に人気。雑誌「宝島/夕刊フジ/ZAIオンライン/トレマガ/あるじゃん/ダイヤモンドマネー/マネーポスト/日経ビジネス/エコノミストマネーザイ」をはじめ多方面に活躍中。

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